一生のうちに乳がんを経験する日本人女性は、11人に1人と言われています。
国立がん研究センターのがん統計予測では、
2017年の乳がんにかかる人の数は89,100人になると推計されました。
また、近年は乳がんによって亡くなる人の人数も増加し続けています。
乳がんの症状には、しこり・乳頭からの異常な分泌物・皮膚の異常(びらんやえくぼ)・脇の下(腋窩)リンパ節の腫れがあります。
乳房の変化に早く気付くために、自己検診(セルフチェック)を行ったり、
乳がん検診を受診することが大切です。
乳がんを早期に発見し、治療することで"10年生存率"という、
がんを経験しても長生きできる確率が高くなります。
また、早期発見であれば、治療においても、
乳房を温存するかどうかなどの治療の選択肢が広がる可能性があります。
乳がんの60%は、セルフチェック(自己検診)により発見されています。
早期発見には、日頃からセルフチェックを行うことが大切なのです。
乳がんはしこりや異常を、自己検診(セルフチェック)により発見しやすいがんです。
セルフチェックは、乳輪を中心に、外側半分と内側半分、
更に、脇の下に手を入れて、リンパ節の腫れがないかをチェックします。
乳房を指の腹で軽く圧迫しながら確認します。
また、乳がんは、外側上部によくできる傾向があり、
この部分は入念にチェックすると良いでしょう。
●自己検診(セルフチェック)についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください。
公益財団法人日本対がん協会「もっと知りたい乳がん」
乳がんと診断される人の年齢は、30歳代から増加し、
40歳代後半から50歳代前半にピークを迎え、60歳代後半から次第に減少します。
しかし、20歳代で患う人もいるため、40歳未満であっても関心を持つことが大切です。
乳がん検診は主に4つの方法で受診が可能です。
1. 市町村が地域の住民を対象に行う検診
→市町村の広報等でご確認ください。
2. 企業が従業員に対して行う検診
→お勤めの企業の担当窓口にお問い合わせください。
3. 健康保険組合が独自の保険事業として実施
→ご加入されている健康保険組合にお問い合わせください。
4. ご自身の意志で受診する検診
数は少ないものの、忙しい方に向けて、夜間や休日の検診を行っている市町村・医療機関もありますので、 市町村の窓口にお問い合わせ頂くか、インターネットの病院検索ページで調べてみましょう。
市町村などの住民健診や人間ドックでは、視触診やマンモグラフィなどを行います。
マンモグラフィは、乳房専用のエックス線検査で、乳房をプラスティックの板で撮影台に押さえて撮影します。
圧迫版に乳房を挟まれる十数秒の間に痛みを訴える人もいますが、個人差があります。
この他、主に人間ドックでは、超音波検査が行われることがあります。
40歳未満の人は、検診費用を全額、又は一部自己負担で受ける必要があります。
お勤めされている企業の健康保険組合の制度により異なるため、
担当者や健康保険組合に問い合わせてみると良いでしょう。
また、40歳以上の人は、市区町村の検診の対象になっており、
2年に一度市区町村から検診のお知らせがきます。
市町村の検診を利用すれば、無料~3000円程度で受けることができます。
お住いの市町村に問い合わせてみましょう。
人間ドックを利用した場合は、
乳がん検診を女性の医師や技師が担当する医療機関もあります。
お住まいの地域の医療機関をお調べいただくと良いでしょう。
乳がんの治療には、局所療法と全身療法があります。
局所療法には、乳房温存術・乳房切除術・放射線療法があり、乳房内のがん細胞に対して行われるものです。
全身療法には、ホルモン療法・化学療法・分子標的療法があり、乳房以外に存在するかもしれないがん細胞に対して行われます。
がんの性質や広がりに合わせて、これらの治療法を組み合わせて、がんの治療と再発防止を行っていきます。
担当医の治療方針(第一の意見)についての別の医師の意見(第二の意見)のことを言います。
乳がんとの確定診断がついた時に、その診断や治療方法の選択肢などについて
セカンドオピニオンを聞きに行くことが可能です。
セカンドオピニオンを聞きに行きたいと思った時には担当医に申し出ましょう。
ただし、セカンドオピニオンは必ず聞きに行かなければならないものではありません。
担当医の説明に納得がいき、治療に取り掛かる気持ちになるのであれば必ずしも必要ではありません。
乳がんという診断が間違いであってほしいという思いから、
次々に医療機関を受診して治療開始の時期を逸してしまうことのないよう、
セカンドオピニオンに何を求めているかを自分でよく考えることが必要です。
辞める必要はありません。日本ではがん対策推進基本計画の中で、
がんと診断された方に対する就労支援にも力を入れ始めています。
下記のような相談窓口に、入院や治療のための通院と
仕事の両立について相談することが可能です。
1. がん診療連携拠点病院の相談支援センター
2. 産業保健総合支援センター
●お住まいの地域の相談所は、こちらからご確認いただけます。
国立がん研究センターがん情報サービス「がん診療連携拠点病院などを探す」
産業保健総合支援センター
乳がんを経験したことがある人でも、妊娠・出産・授乳が可能です。
また、乳がんを経験したことがある人が妊娠・出産をしても、
胎児に異常や奇形が起こる頻度は高くなりません。
薬物を使用する治療法では、乳汁内に薬物が分泌されるものもあり、
授乳中の薬物療法は控えた方が良いとされます。
●リンク
一般社団法人 日本乳癌学会